拘束のドローイング9
(原題:MATTHEW BARNEY DRAWING RESTRAINT 9)
舞台は日本。ある石油精製所で阿波踊りの隊列に先導されたタンクローリーが、伝説の捕鯨船「日新丸」の脇に停まる。タンクの液体は船上にある巨大な鋳型に流し込まれ、船が南極に向けて航行する中、“フィールド・エンブレム”の形を成してゆく。
そこへ、遥かかなた別々の地から運ばれた男女ふたりの西洋の客人が辿り着く。身を清め、毛皮の婚礼衣装をまとい、貝の柱が立つ船内の茶室に導かれた男女は、奇妙な器で茶を一服するうちに恋に落ちていく。ほのかに薫るのは、鯨から排泄される謎の物質、竜涎香(りゅうぜんこう)。古来、中国で重宝された甘美な匂いがただよう中、突然、ふたりは激しく求め出すが、部屋は次第に水没していく。鯨の解体用ナイフを手に、官能的に互いの足を切りつけあうふたりが、やがて変貌を遂げ…。
監督・脚本:マシュー・バーニー
出演:マシュー・バーニー/ビョーク/大島宗翠(裏千家)
製作:バーバラ・グラッドストーン/マシュー・バーニー
撮影:ピーター・ストリートマン
音楽:ビョーク
配給:ワイズポリシー
2005年/アメリカ/135分/カラー/35mm/1:1.66/SRD