指差喚呼とは、作業の正確さを高めることを目的として、確認や操作の対象を指差し、対象の状態や操作内容を発声する確認のこと。「指差呼称」、「指差称呼」、「指差唱呼」、「指差確認」など、いくつかの表現がある。
「指差」も「喚呼」も、鉄道に起源があるとされているのが定説である。
「喚呼」は、当初「信号喚呼」と呼ばれ、機関士、機関助士が信号の名称とその状態*1を声に出して、相互に確認するために行っていた。つまり自分のためではなく、一緒に作業を行う相手に対して、自分の確認内容を知らせ、相手が再度確認してその内容が一致しているかどうかを確かめるダブルチェックの要素があった。
「指差」については、昭和初期から東京近郊の乗務員が自発的に信号喚呼に指差を併用し始めたことが起源とされている。
指差喚呼には、ヒューマンエラーを防止する効果があるとされており、鉄道労働科学研究所の清宮栄一らが1965年に実施した実験室実験によって、心理学的に検証されている。この検証結果を受けて、国鉄は触車による殉職事故の防止などを目的として、指差喚呼による作業確認方法を乗務員以外にも広めていった。
*1:「進行」「注意」「停止」など