掌の音楽小説について。 これから、新しい試みをやってみたい。 端的に言えば、1曲の音楽をテーマに、ごく短い掌の小説、散文詩を書いてみようというものである。 曲の醸し出すオーラをソースとして、湧き出てくるイマジネーションを、物語にする。 これが、そのテーマである。 日本文学は短編小説宝庫。 昔から日本文学は、和歌、俳句、短編小説を得意としてきた。 長編では、「源氏物語」「平家物語」「太平記」などが有名だ。 だが、平安時代に女流貴族により、漢字にひらがなを当てて日本語を紙に書く、いわゆるかな文字の発明が「万葉集」「古今和歌集」などの和歌につながり、室町時代の俳諧連歌、江戸時代の俳句の隆盛に連なって…