「摘み草」とは、春の初め頃、 春の野に出て雑菜や草花を摘むことです。 春の野で草などを摘む「摘み草」は、 古代から春の行事として親しまれてきました。 『万葉集』にも、「摘み草」の様子を詠んだ 歌が収録されています。 「春日野に 煙立つ見ゆ 娘子(をとめ)らし 春野のうはぎ 摘みて煮らしも」 春日野に煙が立っている。乙女達が春のうはぎ(=嫁菜)を摘んで煮ているのだろう。 平安時代の貴族は、 自然を愛でる遊びとして楽しむだけでなく、 野草を体内に取り入れることで 1年の健康を祈願しました。 江戸時代になると庶民にも広がり、 郊外の野原に日帰りでお弁当を持って出掛け、 摘み草を楽しんだ後は、 お弁当…