以下は今日の産経新聞「正論」に掲載された、杏林大学名誉教授田久保忠衛氏の論文からである。日本国民のみならず世界中の人たちが必読。見出し以外の黒字強調は私。国家観なき「怪物」に果敢に挑む英労働党を中心とした各国社会主義思想を研究されていた関嘉彦氏(東京都立大学名誉教授。元民社党参院議員)が、しみじみと 「僕は生きているうちに共産主義の崩壊が目撃できるとは思わなかった」と語っておられたのをときどき思い出す。 日本の特殊な言論空間 戦後の一時期、日本社会を覆っていた特殊な言論状況があって、その中に国家観を喪失した雑多な知識人がうごめいていた。「正論50年」の成果は、その人たちが醸し出していた不快な臭…