はしご酒(3軒目) その六十二 「ヤッパリ キョウイク!」④ すると。 徐(オモムロ)に、Z’さんも、その真っ赤な悪魔を、静かに、緩やかに、舌の上で転がすように、一口。 すると。 凍てつきかけていた空気が、時間の流れが、少し、ホワンと緩み出す。 真っ赤なエル・ディアブロの悪魔の力が、あたかも天使の力のように感じられた瞬間である。 すると。 Z’さん、復活の狼煙(ノロシ)を上げるかのように、ユルリと、クレッシェンドに、語り始める。 「考えるチカラ。考え抜くチカラ。真理を、正義を、愛を、知るチカラ。見抜くチカラ。貫くチカラ。そんなチカラたちを、時間をかけて、焦ることなくジックリと育むことが、学校の…