神子畑(みこばた)には、選鉱場跡の他、生野銀山で鉱山開発の指導をした外国人技師ムーセの居館で、神子畑に移築されて事務所・診療所となった建物、小学校の体育館、明神電車の車輌などが遺されている。「神選」と名付けられた資料館兼売店のような建物もある。ごった返している、ということはないが、入れ替わり立ち替わり常時十数人が見物に来ている感じだ。 ぼんやりと眺めているだけでは、どのような場所なのかよく分からないが、ムーセ旧居の中で25分ほどのビデオを上映していて、それを見ると、鉱石を「選鉱」「精錬」してインゴットにするまでの工程がよく分かる。 明延(あけのべ)鉱山から採れる鉱石は、産出量日本一の錫を始め、…