以前、僕は夏目漱石の『文鳥・夢十夜』という文学小説を書店で買ったものの、わずか2ページで投げ出してしまった。全文が古語だったので、最初から読む気が失せた。やはり素人がいきなり古語を読むのは難しいものだったのだ。 今回は太宰治の『人間失格』を買ってきた。これも文学小説ではあるが、難しい単語には補足説明がされてあるので『文鳥・夢十夜』より読みやすかった。 太宰治が『人間失格』を書き上げたのは1948年で、その年と同じくして本人も入水自殺を遂げている。この『人間失格』という文学小説は、太宰治が自身の人生を書き綴ったいわば自叙伝である。 文学小説自体、学生時代に授業で読んだきりなので、独力で読むのは今…