父権社会の拷問器具「コルセット」を静かに淡々と描写する恐ろしさ。「北斗賞」を受賞した佐々木紺の第一句集 | ダ・ヴィンチWeb 静かな俳句である。遠くの灯台の光を眺めるように、虫メガネで手元を拡大するように、丁寧に、静かに、日常が語られる。 佐々木紺の第一句集『平面と立体』(文學の森)は、第十三回「北斗賞」を受賞し出版された。「北斗賞」は、俳句の未来を開く若い俳人を輩出することを目的とした賞である。40歳までの俳人を対象に作品150句を募集し、第13回は40篇の応募があったという。『平面と立体』は6章から成る。最初の句はこのようなものである。 忘れゆくはやさで淡雪が乾く なめらかで、優しい手触…