大阪の日本橋近辺に住んでいたことがある、国立文楽劇場の近く。オタクエリアとは違う様相で、文楽劇場の裏、北側はラブホテルが乱立し一大風俗タウンになっている。“嬢”との待ち合わせか、男が煙草を咥え、夜の川面を見るともなしに目だけをキョロつかせている。橋を渡ると“島之内”と呼ばれるエリア、昔は船場と並ぶ問屋街で遊里もあったとか、繁華街“ミナミ”とはこの辺りのことだったらしい。 その手前長屋が一棟だけ残っていて、そこから太竿三味線だろうか、練習する音が漏れ聴こえ「風流やなぁ」なんて思っていた。 文楽劇場が近くにありながら観劇したことはない。能、狂言、歌舞伎も劇場で観ていない。もったいない気もするが、ど…