明日は段ボール収集日だ。 朝早く起きる自信がなかったので、11時半、深夜に出してきた。かつて家族で暮らしていた清田の一戸建ては、 裏手に町内会館があり、段ボール他資源ごみをいつでも 廃棄できるような小屋があった。あれは本当に助かっていた。 当時は楽器関連でメルカリなどの商取引が多く、毎日のように 段ボールが発生していたから。段ボール小屋の隣はアルミ缶の小屋だった。 俺は毎日のようにそこに缶を捨てていた。 たかが段ボールを集積場に出すだけでこれだけのことを思い出す。 その都度俺は瞬間、胸をざっくりと切り刻まれる。 自分が自分に与える償いの痛みだ。記憶には物理的実体はない。 心の中にある虚像に過ぎ…