世の中には流行があります。それに対して個人、我があります。このバランスは非常に難しいものかと思います。今回はその点にクローズアップしていきたいと思います。 田舎医者/断食芸人/流刑地で (光文社古典新訳文庫) 作者:カフカ 光文社 Amazon この問題の着想を得たのはカフカの「断食芸人」です。本のあらすじを簡単に説明しますと、断食を見せ物としてやっていた断食芸人がおり、一時期は盛り上がりを見せたのですが、サーカスなどの余興の台頭により人々の興味は逸れていき誰にも注目されなくなります。無用の産物となった彼の余興は周りから辞めるように勧められるのですが、彼は断食芸人としてのプライドを保ち続けるた…