元アナリスト、現在は国宝修復を手がける日本企業の社長であるイギリス人、というデービッド・アトキンソンさんが、人口減少社会を迎える日本の成長戦略として観光立国の道を説く。出版が2015年なので、今となればその先見の明に多くの人が納得するだろう。 ゴールドマン・サックスで日本の不良債権規模や銀行再編を予測した敏腕アナリストであり、議論に感情をはさまないというイギリス人らしさを発揮して、全体的に客観的かつデータを踏まえた説得力がある。観光立国として必要なことがマクロな視点から説かれているが、観光に限らず、ビジネスでインバウンドに関わる人に特に面白いだろう。 個人的に参考になった点が2つ。 まず、キホ…