「探偵は、あちこちを巡って、色々な手がかりを集め、必死に考えてなんとか答えを出す。でも<答えを簡単に出す人>は違う。自分の信じる応えが先にあって、現実のほうを分解して都合よくそれに当てはめていく。本当の答えが出るはずの地点よりもずっと手前で、答えにたどり着いてしまう。そういう人を相手にするのが大変なのは、判るよ」 みどりさんはなかなか答えを出さない探偵だ。その問題について考え続け、証拠を集め続け、解かれるべき一点を見極めるまで辛抱強く待つ。「太陽は引き裂かれて──2024年 春」P234 <作者紹介> 1980年生。 学習院大学法学部卒。 2016年『虹を待つ彼女』で第36回横溝正史ミステリ大…