評論家 明治二一〜昭和二六(1888〜1951)
徳島県の人。東大政治科を卒業。読売・大阪毎日・東洋経済・東京朝日等の記者を経て文化学院教授となった。戦後、杉並区長に選ばれた。彼は早くから文芸を愛好し新聞社を退いて後、虚無的思想をもって文芸界に特殊な地位を占めた。文壇における存在は、傍流的・孤立的ではあるが、彼一流の虚無的無政府主義的立場に立って独自の評論を発表し文壇の注目をうけた。しかし極端なものではなく、国際性をもった自由主義的評論家としても見られている。昭和二六年、六十四歳で没した。
小説集「月夜の喫煙」、随筆集「季節の登場者」「生活の錆」、評論「無政府主義文学論」「左傾思潮」、翻訳「大地」(パール・バック原作)等。」