祖母の手帖(原題:Mal di pietre)ミレーナ・アグス/著, 中嶋浩郎/訳(新潮社, 2012年)絶版 ________ ________ ________ 「イタリア文学」で「家族」がテーマの持ち寄り読書会で他の方が紹介されていた本。 「どういう本と言っていいのかも、自分がどこに惹かれたのかもうまく説明できないけれど、とにかく不思議な話」と言っていたのが気になった。新潮社クレストブックスは良い翻訳本を出していて好きなシリーズだし、144ページと短い。図書館で借りてパッと読んでみた。 なるほど確かに説明しづらい。説明しようとすると物語の核心に触れてしまいそうな危うさもある。登場人物の名…