新直轄方式とは、日本における高速道路の整備方式の一つで、国土交通大臣が施行主体となって高速道路を整備する方式のこと。本方式で整備された区間は、供用開始後、無料で通行できる。
概要
2003年に小泉首相の諮問機関である道路関係四公団民営化推進委員会が道路公団民営化後の新会社による建設に歯止めをかけるべきとの報告を提出したことから、政府と自民党が採算性の低い路線を国と地方の負担で建設することで合意した。
直轄国道の国と都道府県の建設費負担が2対1であるのに対し、新直轄方式における国と都府県の建設費負担は3対1*1と国の負担分が大きいことが特徴。
メリット
新直轄方式は、供用開始後より無料となるため、もとより料金収受機能を必要としないため、料金所などの施設運営が不要であり、インターチェンジを簡略化することができる。これに伴い、インターチェンジ間の距離を短くすることができ、従来道路とのアクセスも行いやすい。
また、料金収受に関わる人件費が不要となるため、運営コストも大幅に削減することができる。
新直轄方式への批判
建設費の全額を国が負担しているわけではないが、都道府県負担分は地方交付税によって賄われている部分が多く、実質的には全額国税によって賄われているという指摘もある。
また、高速道路を待望する地方からは歓迎の声が聞かれる一方、無駄な道路を作らないという議論がいつのまにか道路公団を民営化された後の新会社に赤字の高速道路を作らせない話にすり替り、財政再建を期待していた人を大いに失望させた。
新直轄区間
- 北海道縦貫自動車道
- 函館名寄線
- 七飯IC - 大沼公園IC(国道5号)
- 士別剣淵IC - 名寄IC(国道40号)
- 北海道横断自動車道
- 東北横断自動車道
- 釜石秋田線
- 遠野IC - 宮守IC - 東和IC(国道283号)
- 日本海沿岸東北自動車道
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- 荒川胎内IC - 朝日まほろばIC(国道7号)
- あつみ温泉IC - 鶴岡JCT*2(国道7号)
- 本荘IC - 岩城IC(国道7号)
- 大館市商人留*3 - 小坂JCT
- 東北中央自動車道
- 相馬尾花沢線
- 福島JCT - 米沢IC - 米沢北IC(国道13号)
- 東根IC - 尾花沢IC(国道13号)
- 中部横断自動車道
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- 富沢IC - 六郷IC(国道52号)
- 八千穂IC - 佐久南IC - 佐久小諸JCT(国道141号)
- 近畿自動車道
- 松原那智勝浦線
- 南紀田辺IC - 白浜IC - すさみIC(国道42号)
- 尾鷲多気線
- 中国横断自動車道
- 姫路鳥取線
- 佐用TB - 西粟倉IC(国道373号)
- 智頭IC - 鳥取IC(国道53号・373号)
- 岡山米子線
- 尾道松江線
- 尾道JCT - 三次東JCT(国道184号)
- 三次東JCT - 三刀屋木次IC(国道54号)
- 四国横断自動車道
- 阿南四万十線
- 阿南IC - 小松島IC - 徳島東IC(国道55号)
- 須崎西IC - 四万十町中央IC(国道56号)
- 愛南大洲線
- 九州横断自動車道
- 東九州自動車道
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- 佐伯IC - 蒲江IC - 北川IC(国道388号)
- 清武JCT - 北郷IC - 日南IC(国道220号)
- 志布志IC - 末吉財部IC(国道220号・269号)