最近、新聞小説「また会う日まで」(池澤夏樹・朝日新聞)を面白く読んでいる。戦前戦中に海軍の水路部で天文、海図の製作などの仕事をした実在の人物である秋吉利雄少将を主人公にした小説。ほとんどが秋山氏の語りで構成されているようだ。残念ながら、私は新聞を購読した時期からの途中からの読者だ。 調べてみると、作者 池澤さんは福永武彦の長男で、主人公の秋吉利雄は父方の祖母の兄にあたる実在の人物である。小説には岩手の友人から紹介された「Z項」とか、うちの奥さんが講演会のおり一緒にツーショットで収まっていただいた日野原重明さんとか登場するのにも興味深く読んでいる。 秋山氏は海軍軍人でキリスト者である。日野原重明…