山本七平(「日本人とユダヤ人」他、著書多数、故人)は、自らの著書「空気の研究」の中で、日本の社会ではあらゆる議論が最後にはその場の「空気」によって決定されることが多い。「空気」がその場のすべてを統制し各人の口を封じてしまう。それは戦前も戦後も変りはない。したがって、日本の社会に一番必要なのは「水を差す」行為であると述べている。 三千もの将兵が乗り組んだ戦艦大和は戦闘機の護衛なしで沖縄に向けて出撃し、途中米機動部隊の攻撃によって沈められた。戦艦大和の出撃はサイパン陥落時にも検討されたが、無傷(機関、水圧、電力など)で到達できなければ主砲の射撃ができないなどの理由で取り止めになったのだそうだ。しか…