12月1日 新派の俳優、波乃久里子の誕生日。 新派の舞台を見る機会がめっきり減ってしまったが、昨年、「糸桜」という舞台を見て、波乃久里子の健在ぶりを見ることができた。 ここ数年、彼女の朗読劇を上演する公演が開かれていて、気になりつつも、見る機会を得ずにいたので、「糸桜」で、彼女のセリフ術の素晴らしさを、改めて思い知らされたのだった。 そんな彼女が2005年12月に上梓した『菊日和:母の日記が語る父との恋とあの頃の東京の暮らし』を書棚から引っ張り出して、再読したのは、12月1日が久里子の誕生日だと知ったからだ。 久里子の母・久枝の日記本文の前に、おかれた「コラム」の中にあった記述 今も新橋演舞場…