昭和59年、高校を卒業してすぐ友達N恵と、ホテルの地下にあるケーキ屋さんでアルバイトをした。昼間は主婦の2人が店に入っていて、私たちは夕方から閉店まで。しかし、夕方からはほとんど誰も来ない。2週間のアルバイト中に5回も売れた記憶がない。店番的な人が立ってるだけで良かったのか?人件費の無駄遣いだ。同じフロア―には私たちには手の届かなそうな料亭が並んでいて、ケーキ屋から死角のコーナーに占い師のオジサンがいつも座っていた。閉店時間になると厨房の人たちがその日に残ったケーキを取りに来て終わり。毎日、暇な私たちはバカ話を続けた。暇すぎて厨房の人の似顔絵まで書き出し笑い転げていた。ある日、占い師が飛んでき…