ころん。鈍い音が鳴る。研究室棟通路で、僕は咄嗟に左耳を押さえた。「し、ら藤*1さん。お久しぶりです」 「……ああ、久しぶりだな」 ____________________ 前話(37話) https://yamanoha334.hatenadiary.jp/entry/Diva.BettyFlyower_037 ____________________ 「一般研究生になってしばらくになりますね。ラボには慣れましたか?」 「まだ慣れるほど来ていないが、住めば都だな。絡繰仕掛けの都だ」 「そんなに多いでしょうか……」 教授の趣味*2で仕掛けられた複雑な構造の電子仕掛けは確かに僕らの研究室の特色かも…