もう恋なんてしないなんて言わないけれどもう馬券は買わない(恋愛私小説Vol.3) 僕が馬券を買わなくなった理由について。 馬が好きなの? ギャンブルが好きなの? データ分析が好きなの? 何なの? 僕よりも? 「来週、ジャパンカップに付き合ってよ」 秋も深まっていたある日、競馬大好き女子大生の彼女から誘われた。 「いいよ、バイト休みだし」 アルバイトのシフト表をながめて僕は答えた。彼女は同じレストランで働くバイト仲間であり、付き合っているという意味での「彼女」でもあった。僕は競馬にさほど興味があるわけじゃない。馬券を買ったこともない。だけど、競馬場には一度行ってみたかったので、競馬デートをとても…