自衛隊演習地のある日本原高原の南、奈義町役場から南西へ2km、平野の真ん中にぽつんと浮かぶ島のような丘があって、これがかつての東西中島村の境界であり、この丘の南寄りに城跡がある。 城跡の案内板がある丘陵南端から丘に登って驚いた。丘陵南端に土塁に挟まれた小さな平地はあるものの、とにかく見慣れた館跡や城跡とは全く異なる風景が広がっていた。縄張り図に示すように低丘陵中に長短4本の空堀・土塁が伸びていて、まるで近代戦争の塹壕だ。最長のものは尾根づたいに約400mに渡って築かれている。 土塁に囲まれた内側を整形して居住空間とする意図はなかったようで、丘陵頂部には大小3基の古墳が破壊されずに残っている。一…