化学のひとつ。炭素原子を有する化合物を合成したり、反応を解析したりする分野。但し二酸化炭素や一酸化炭素などは含まず、これらは無機化学の範囲となる。
有機化学の分野としては,有機合成化学,天然物全合成,創薬化学,有機金属化学,物理有機化学,生物有機化学,有機高分子化学などがある.
余談であるが、『有機』といったら、普通『有機化学』または『有機合成』のことをさすと思っていたが、とある場で「大学で有機を専攻している」と言ったところ、「有機って農業?」といわれた・・・。
薬学生向け解説:電子吸引性と電子供与性 医薬品の作用機序を理解する上で、電子吸引基(EWG)と電子供与基(EDG)の概念は非常に重要です。これらは分子の電子分布を変化させ、薬物と受容体の相互作用に影響を与えるため、薬効発現に深く関わっています。 1. 電子吸引基(EWG: Electron-Withdrawing Group) EWGは、分子から電子を引っ張る性質を持つ置換基です。代表的なEWGには、ニトロ基(-NO2)、カルボキシル基(-COOH)、ハロゲン(-F, -Cl, -Br, -I)などがあります。 EWGは、分子の電子密度を低下させ、求電子的な性質を強めます。これにより、求核的な…
薬学生向け: カルボン酸の性質・反応・酸性度を徹底解説 カルボン酸は、医薬品化学や生化学において重要な役割を果たす有機化合物です。薬学生の皆さんにとって、カルボン酸の性質、反応、酸性度を理解することは必須です。本記事では、これらを網羅的に解説し、さらに薬学的な応用についても触れます。 1. カルボン酸とは カルボン酸は、分子内にカルボキシル基(-COOH)を持つ化合物の総称です。カルボキシル基は、カルボニル基(C=O)とヒドロキシル基(-OH)が結合した構造を持ち、カルボン酸の特性に大きく影響します。 2. カルボン酸の性質 酸性: カルボン酸は、水溶液中でプロトン(H+)を放出し、酸性を示し…
フリーデル・クラフツ反応:薬学生向け徹底解説 はじめに 医薬品化学や有機化学において、フリーデル・クラフツ反応は、芳香環にアルキル基やアシル基を導入するための重要な反応です。本記事では、薬学生に向けて、フリーデル・クラフツ反応の基礎から応用までをわかりやすく解説します。 フリーデル・クラフツ反応とは フリーデル・クラフツ反応は、1877年にフランスの化学者シャルル・フリーデルとアメリカの化学者ジェームス・クラフツによって発見された、芳香族求電子置換反応の一種です。 反応機構 求電子種の生成: ハロゲン化アルキルまたは酸塩化物とルイス酸触媒(塩化アルミニウムなど)が反応し、求電子種であるカルボカ…
マルコフニコフ則を深く理解する:薬学生のための解説と反応機構の図解 Addition, Elimination and Substitution: Markovnikov, Hofmann, Zaitsev and Walden Discovery and Development【電子書籍】[ David E. Lewis ] 価格:18504円(2025/1/26 12:39時点)感想(0件) はじめに マルコフニコフ則は、有機化学において非常に重要な法則の一つであり、特に二重結合を持つ炭化水素への付加反応を理解する上で欠かせません。薬学の分野でも、新薬合成や薬物代謝の予測など、様々な場面で…
薬学生のためのグリニャール試薬入門:有機合成の強力なツール ビギナーズ有機化学 [単行本] 川端 潤 価格:1340円(2025/1/19 19:51時点)感想(0件) グリニャール試薬とは? グリニャール試薬は、有機合成において非常に重要な役割を果たす有機金属化合物の一種です。一般式RMgX(Rは有機基、Xはハロゲン)で表され、マグネシウム金属と有機ハロゲン化物を反応させることで合成されます。 特徴 強力な求核剤: 炭素-マグネシウム結合が非常に極性であり、炭素上に強い負電荷が帯びています。そのため、求電子剤に対して強力な求核攻撃を行います。 多様な反応性: カルボニル化合物との反応、プロト…
ディールス・アルダー反応:医薬品合成における強力なツール はじめに ディールス・アルダー反応は、有機合成化学において非常に強力なツールとして知られています。特に、複雑な構造を持つ医薬品の合成において、その立体選択性や位置選択性の高さから、不可欠な反応の一つと言えるでしょう。本記事では、薬学の学生に向けて、ディールス・アルダー反応の基礎から、具体的な医薬品合成への応用例までを解説します。 ディールス・アルダー反応とは? ディールス・アルダー反応は、共役ジエンとジエノフィルが反応し、シクロヘキセン環を形成する[4+2]環化付加反応です。この反応は、熱力学的に有利であり、多くの場合、副反応を伴うこと…
Angewandte Chemie International Edition 12月9日号(63巻50号)掲載の論文のうち、有機光化学に関係する論文を紹介する。数は3報。 1. Organocatalyzed Carbonylation of Alkyl Halides Driven by Visible Light (X. Liu, B. S. Portela, A. Wiedenbeck, C. H. Chrisman, R. S. Paton, G. M. Miyake, Angew. Chem. Int. Ed. 2024, 63, e202410928)アルキルハライド、一酸化炭素…
ACS Catalysis 12月6日号(14巻23号)掲載の論文のうち、有機光化学に関係する論文を紹介する。数は7報。 1. Csp3–Csp2 Coupling of Isonitriles and (Hetero)arenes through a Photoredox-Catalyzed Double Decyanation Process (M. Martín, R. M. Romero, C. Portolani, M. Tortosa, ACS Catal. 2024, 14, 17286–17292)イソニトリルとシアノピリジンをどちらも脱シアノ化してカップリングさせる反応。光増…
ニューマン投影式 解答 ニューマン投影式は2009年に東大化学第3問で出題された。 超難関大学を志望する場合は教科書範囲外の内容を聞かれることもある。 初見の問題にも対応できる読解力を身に付けてほしい。
ニューマン投影式 問題 制限時間50分。 知らなくても読めば解ける問題。