実家の法事で、小学生がいる親戚三軒に「一家に一冊、吉四六さん」と、挿絵も楽しい吉四六さんのとんち話を配った。吉四六さんは、実家のある臼杵に伝わる「こしきい」お百姓さんの話。頓知話が面白く、子供の頃、年寄りに話をせがんだものだ。 親戚の子供たちは、田舎のお百姓さんの話など好きではないかもしれないが、大人になって社会で辛い目に遭った時、家に吉四六さんの本があることを思い出して、ちょっとだけ笑ってくれたらそれで良い。 三年前から、ボランティアで電話による心の悩み相談をやらせてもらっている。相談者とは一期一会。すぐに答えは見つからないが、あの本に答えがあるのにと思うことがある。図書館や書店の棚の前をウ…