朝日文左衛門(重章)の「鸚鵡籠中記」(上 岩波文庫)の一番目の記事に続いて、二番目の記事にも殺人事件について書かれている。 鍛治屋町殺人事件 貞享元年 九月九日夜、広小路大津町かじや丁の間借屋に居す女房の甥田代五右衛門、(草り取りなり) 伯母聟を突き殺し逐電。(一にいう、伯母に通ずとも) 草履取りの身分である田代五右衛門が、「広小路大津町かじや丁」の賃貸住宅で暮らす伯母聟(伯母の夫)を殺害して逃走。 犯人の田代五右衛門は、伯母と不倫関係にあったという説があるらしいけれど、事実かどうかは分からない。 記事はこれだけだけれども、「逐電(逃げて行方をくらますこと)」とあるから、田代五右衛門は見つかっ…