序文・献身的な施術 堀口尚次 杉山和一(わいち)〈慶長15年 - 元禄7年〉は、伊勢国安濃津〈現在の三重県津市〉出身の鍼灸師(しんきゅうし)。検校(けんぎょう)〈盲官=盲人の役職 の最高位の名称〉であることから「杉山検校」とも称される。鍼(はり)を管(くだ)に通して打つ施術法である管鍼(かんしん)法を創始したと伝えられる。鍼・按摩(あんま)技術の取得教育を主眼とした世界初の視聴障害者教育施設とされる「杉山流鍼治導引稽古所」を開設した。これには鍼医として仕えた江戸幕府第5代将軍・徳川綱吉の支援を受けた。 幼い頃、伝染病で失明し、江戸で検校に弟子入りするも生まれつきののろさや物忘れの激しさ、不器用…