2019年発表の本書は、2017年に起きた「蓮舫二重国籍問題」を受けて、弁護士・法学者・ジャーナリストらで結成された<国籍問題研究会>のレポート。日本は二重国籍を公式には認めていない国だが、少なくとも90万人の重国籍者がいる。特に「一つの中国」原則があり国交のない台湾との間には、多くの重国籍問題があるという。「蓮舫問題」はそれにスポットライトをあてたのだが、少なくとも今までに日本の国籍法の問題点を解消しようという動きは感じられない。 まず「蓮舫問題」だが、民進党の党首選挙と並行して有力候補だった蓮舫議員の国籍問題を、評論家の八幡和郎氏がとりあげた。彼女は台湾のバナナ王と言われた人の孫、台湾人の…