本年は、映画祭で出会った映画に個人的な経験と感情を重ね合わせ、「喪失」や「不在」、そして「再生」という現象が骨の髄に深くに突き刺さるような体験になりました。事情により受賞作品のほとんどを見逃し残念でしたが(第35回の受賞作品については公式サイトにてチェックよろしくお願いします。公開を楽しみにしています)、鑑賞できたなかで強烈な印象を残してくれた作品についてレビューを掲載します。 取材・文:福嶋真砂代 『山女』(コンペティション部門) (C)YAMAONNA FILM COMMITTEE ■民話に伝わる自然への畏怖 粗末な小屋に、姉の凛(山田杏奈)と弟の小吉、そして父親(永瀬正敏)が身を寄せ合っ…