ここ数年、すごく洗練された印象を受けていた東大の化学ですが、今年はその完成形を見せられた気がします。テーマも出題意図もよく練られた良問揃いです。これを易しめにしたのが共通テスト化学の目指すものなのかなとも感じました。純粋な難度は昨年よりやや易しめとは言え、記述量も計算の煩雑さも昨年を上回るもので、さらに読解も時間をとられるので、全体的には昨年並みかやや難といったところかと思います。 第1問 Ⅰ 油脂の構造決定。分子量の決定が目新しくて面白い。テーマとしては典型的だが、二重結合の位置や炭素数がずれやすく、ミスを犯しやすい。時間がないとは言え、落ち着いて解いていくことが大切。 Ⅱ 模試でありそうな…