昭和55年。私が東海大学落語研究部に入部した時。四年生に頭下位亭夢豚(とうかいてい ムートン)さんと言う先輩がいた。 夢豚さんは、見かけが恐く、近寄りがたい。 そして、話し方も乱暴で恐い。私のイメージでは、ドラえもんのジャイアン、もしくは、安岡力也さんに近いと感じた。 一年生たちは皆、心の中で「ジャイアンや安岡力也って、本当に居るんだ!」と思った程だ(安岡さんは居るっての!)。 夢豚さんは部室の前で、入りたての一年生に言った。 「1年、集合~!整列~~!」 突然の出来事に一年生は何だか分からない。四年生はOBなので、この手の命令は異例だからだ。すると、夢豚さんは言った。 夢豚「いいか、俺たち落…