松尾貴史さん作 私が幼稚園児の頃。父母が迎えにきた際に園庭を見れば、大勢の子どもの中で私を発見するのが容易だったと、生前の父から聞かされた。私の髪の色素が薄く、今で言う「茶髪」のようだったので、すぐに見つけられたのだそうだ。小学校のアルバムを見ても、モノクロだが私の髪は明るい色をしている。高校生になる頃にはすっかり黒くなったので奇妙な校則に悩まされることはなかったが、茶色のままならば教師に「黒に染め直せ」と指示され、私は「染めてません」と反発するなど、衝突していたかもしれない。 しかし、なぜ黒髪でなくてはならなかったのだろうか。日本人のほとんどが黒髪だから、それに倣えということなのだろうけれど…