科学ライター。1963年長崎市生まれ。東京で育つ。 京都大学大学院農学研究科修士課程修了(農芸化学専攻)。毎日新聞社の記者として10年勤めた後に退職し、フリーの科学ライターとして活動を開始。得意分野は農業、食品、環境など。 日経BP社のサイト「Food Science食の機能と安全」で2004年4月より「松永和紀のアグリ話」を連載中。
「おいしい、健康」というサイトで松永和紀さんが連載している「読む、えいよう」の中で「食の安全と健康」というコーナーの最新記事です。 少し感染者発生が減っていたノロウイルスですが、また増加しているということです。 oishi-kenko.com ノロウイルスは牡蠣などの二枚貝に多く生息していて、加熱不足の貝を食べることによる感染が多かったと言われていますが、最近では貝のウイルスは良く検査されていて少なくなっています。 しかし、調理者などが感染していてそれが食品に移ることにより感染が拡大するという多様な感染ルートが問題となっています。 記事中にもありますが、パンの製造会社で検査担当の人が感染してお…
「おいしい健康」というサイト内で「読む、えいよう」というコーナーがあり、科学ジャーナリストの松永和紀さんが時々記事を書いています。 今回は、この時期によく見られる、餅やミカンのカビについて。 カビの生えた餅やミカンは食べても大丈夫かどうかということです。 oishi-kenko.com 松永さん個人としては昔からカビの生えた食物は全くダメということで、それがさらに知識を重ねてその感覚が強まったようです。 カビは表面に広がり胞子を着生すると派手な色になって目立ちますが、実際には食品の深い所にまで菌糸を伸ばしており、その周辺に毒物を放出していることもあり得るので、やはり食べない方が良いのでしょう。…
遺伝子組み換え食品についての基本的な知識を得たいと思って、松永和紀氏の『ゲノム編集食品が変える食の未来』を読みました。 ゲノム編集食品が変える食の未来私はこの件についてまったくの素人で、これまで「ゲノム編集」と「遺伝子組み換え」の違いも分かっていませんでした。またそれ以前の基礎的な知識についても、そのごく基本的なところはこの本で学ぶことができました。以下、まとめてみると……「ゲノム」とはDNAのすべての情報のこと、そして「遺伝子」とは、DNAのうち、生物が持つすべての機能や活動をコントロールするための指示が並んだ部分のことです。DNAのごく一部が遺伝子として働いているのですが、ではDNAのその…
1985年に公開されたテリー・ギリアム監督の映画『未来世紀ブラジル』に、とっても気持ちの悪い「料理」が登場します。いかにも不味そうな色と形状をしたペースト状のもの。添えられているのは、食材の成分的にはこれと同じですよと言っているような写真です。 https://youtu.be/6dMUksOfIPgこの本を読みながら私は、このディストピア感満載な水色のペーストを思い出していました。読んだのは、ジョシュ・シェーンヴァルド氏の『未来の食卓』です。 未来の食卓副題に「2035年 グルメの旅」とあるように、この本は今から十数年後の世界の食事情がどうなっているのかを、様々な食の産業や研究者に取材して展…
「おいしい、健康」サイトの中の「読む、えいよう」で毎月1回科学ジャーナリストの松永和紀さんが分かりやすい解説を書いています。 今回は「フッ素加工のフライパンの安全性」について。 oishi-kenko.com 「フッ素は危険」といった情報が飛び交っているために、「フッ素樹脂加工フライパン」も危険なのではないかと思う人もいるようです。 フッ素は元素記号Fで表される元素で、多くの化合物として使用されています。 現在問題視されているのは「パーフルオロ化合物」と言われるものです。 これらを総称して「PFAS」と呼ぶのですが、有害性が高く発がん性が疑われる化合物も含まれています。 特に危険なのがペルフル…
ツイート MURAKAMI Masayuki @munyon74 Business Insider Japanの記事。こういった報道が、広まっていくことを期待します/「京大の「知の共有財産」喪失に危機感。組織改編で廃止のセンター、軒並み「業務終了」」 https://www.businessinsider.jp/post-257716 23:15 斉藤正美 @msmsaito ミヤネ屋やその他多くの報道は未だに統一教会と政治家とのつきあいばかりを取り上げていますが、政策をどう変えようとしているのか、こそ重要だと思ってます。 旧統一教会が富山で政策へも介入していたことを、富山北日本放送が、先週私…
相変わらず肉の生食などによる、主にカンピロバクターの食中毒が多数発生していますが、それについて科学ジャーナリストの松永和紀さんがPresient Onlineで解説記事を書いていました。 その題が「店で提供されているから安全だろうは大間違い」 まさにその通りです。 president.jp 今年6月に愛媛県で起きたカンピロバクター食中毒は、ラーメン店で「鶏レアチャーシュー」を出し、それによって起きたものです。 この店は兵庫県に本部のある全国チェーンのフランチャイズ店で、他の店のメニューにも同様の品が載っているということで大きな問題となりました。 しかし危険な食品はこればかりではなく、「レアハン…
数日前のテレビ番組で「ジビエ肉の刺身」が放映されたということで、SNSなどで批判が殺到しています。 それについて、松永和紀さんが解説した記事が掲載されていました。 news.yahoo.co.jp まったく見たことも無い番組ですが、TBS系のものだったようです。 猟師から直接仕入れたシカ肉ということで、シカ肉の刺身やタタキ、ユッケなどを出す店で出演者が刺身を味わうという場面だそうです。 これに対し、直後からSNSなどで獣医師や調理専門家などから批判が殺到しました。 肉の生食は危険な場合が多いのですが、特に野生の動物などではどのような病原体が居るか分かったものではありません。 これについて、松永…
毎月一回掲載される、「おいしい、健康」サイトの中の「読む、えいよう」の松永和紀さんの記事ですが、今回は「妊娠中チーズは食べて良い?リステリア菌食中毒を防ぐ正しい食べ方」と題したものです。 oishi-kenko.com 以前からヨーロッパなどではリステリア菌による食中毒が多く、日本でもあまり目立たないものの発生しているということで松永さんも注意喚起をしてきたそうです。 しかし、最近はSNSなどで「リステリア菌が怖いので妊娠中はチーズは食べない」といった意見が目立つということで、その本当のところを解説ということです。 リステリア菌による食中毒はスモークサーモンや肉や魚のパテ、生ハムでも起こります…
当ブログは、反スピリチュアル、反オカルト健康法を掲げている。これからも身近でなにかあるたびに書くと思う。なので、なぜ俺がそうなってしまったかについて書いておきたい。 主な理由は二つある。 ・過去に身内が被害にあった ・身内が被害にあいそう 過去に被害にあった内容を箇条書き。これらは、俺が小学生から高校生にかけて起こったこと。 ・高額なエスパーシール ・高額な謎のオブジェ ・高額な視力矯正器具 ・高額な浄水器訪問販売(これについて) ・超高額な数珠 ・高額な占い ・超高額な人生相談 ・高額な札 俺が記憶しているのはこれくらい。おそらくまだまだあるはず。訪問販売や視力矯正器具は、ただ金の問題だから…
除草剤グリホサートは発がん性があるという報告がされており、一般的にも関心が高いものです。 これは日本ばかりではなく欧米でも同様(あるいはそれ以上?)で専門家もさかんに研究をしているようです。 ただし、その情報には誤ったものの多く含まれており、それがさらに拡散するという状況でもあります。 これについて科学ジャーナリスト松永和紀さんが解説記事を書いていますが、非常に分かりやすく正確でもあると思いますので紹介しておきます。 wedge.ismedia.jp 記事の最初に「農薬の有害性で質問が相次ぐ2大農薬のグリホサートとネオニコチノイド」と書かれていますが、おそらく実際にそうなのでしょう。 有害性を…
「おいしい健康」サイトの松永和紀さんの解説記事から。 「輸入レモンは危なくない。古い情報に惑わされないで」というものです。 いまだに「輸入レモンには防カビ剤が付着している」と思っている人が多いようですが、それははるか昔の情報だということです。 oishi-kenko.com レモンだけでなく輸入農産物は一定の割合で検査を行っていますが、2021年にレモンで残留基準値を越えたものは1件だけで、それもわずかな超過だけでした。 なお、記事中にも触れられているように、レモンの残留基準は皮も含めた総量に対するものであり、「皮は危ない」という話も間違いです。 防カビ剤は基準値以下であっても嫌だという人もい…
松永和紀さんがWegdeで紹介していた事例です。 日本産のイチゴを輸入した台湾で、残留農薬の基準値越えが多発したということです。 wedge.ismedia.jp こういった事例が出ると「日本の農薬規制は世界一甘い」などといったコメントをする人が続出しますが、実際にはそういった解釈は妥当では無いというのが松永さんの意見です。 2月から4月までの2か月間に基準値超過で差し止めとなったものが41品、そのうち27品がイチゴでした。 検出された超過農薬は多くは、殺虫剤のクロルフェナピルとフロニカミドでした。 クロルフェナピルの日本のイチゴ使用の場合の基準値は5ppm、台湾ではイチゴには使用できないため…
メモ ・柿木伸之『ヴァルター・ベンヤミン 闇を歩く批評家』岩波新書 ・戸田山和久『「科学的思考」のレッスン』NHK出版新書 ・飯田泰之、SYNODOS編『もうダマされないための「科学」講義』光文社新書 メモ 今月はあまり読めなかった。 今後減っていったら自分の人生おしまいである。 ・柿木伸之『ヴァルター・ベンヤミン 闇を歩く批評家』岩波新書 ヴァルター・ベンヤミンの思想を年代順に追ったもの。恐らくは解説だと思うが、ほとんど理解できなかった。そのため、色々と判断保留するほかない。 自分がこの本を再び手にとる必要があるかどうかは、ベンヤミンのテキストに自分で当たって考える外ないと思わせることが目的…