2016年8月号掲載 毎日新聞夕刊編集部編集委員(当時)/藤原章生 先日、新橋演舞場に「レビュー夏の踊り」を見に行った。大阪を拠点にするOSK日本歌劇団の3日間にわたる東京公演の千秋楽。大阪松竹歌劇団、OSKに所属していた、友人のお母さんに招待してもらったのだ。前半は江戸の遊郭を舞台にした日本もの、後半はラインダンスなどを含めた西洋もので、10幾通りの振り付けを楽しめたが、特に引きつけられたのはやはり全員で踊る群舞だ。 40人近くの女性ダンサーが男装、女装入り乱れて縦横無尽に踊り回る。サーっと流れ、ピッと止まり、サっと回り、パッと決める。その切れのよさ、全員が同じ息をしているような乱舞の調和に…