「英国」「戦争」「サッカー」をテーマとする作家、ジャーナリスト。1958年東京生まれ。 77年神奈川大学入学。入学4日目に「自主卒業式」を挙行し、作家修業に入る。
83年より10年間英国に在住。87年に「英国ニュースダイジェスト」の記者となる。90年に「欧州ジャーナル」を創刊、初代編集長に。その間『地球の歩き方・ロンドン編』などを執筆。現在は著述活動を精力的に行なっている
2007年、朝日新書から「反戦軍事学」を出版。
反戦軍事学 (朝日新書)
トンカス 3 「となりのトトロ」のロンドン公演の舞台写真を見ていたら、「おおっ!」と声をあげそうになった。日本人300人とタイ人100万人も同じだろう。引っ越しシーンのトラックが、トゥクトゥクの座席をトラックに改造したものだということに驚いたのだが、それはともかく、韓国のトンカス(トンカツ)の話の続きだ。 トンカスを作るときに、肉を「親のカタキのようにたたきのめす」という作業工程が韓国で残ったのは、それが「昔ながらの料理法だ」というだけでなく、筋が多いモモや尻の肉を筋切りしつつ徹底的にたたくことで、安い肉でも柔らかく食べることができるという効果をねらったのだろう。 文字資料やドラマの映像ではト…
イギリス型〈豊かさ〉の真実 (講談社現代新書) 作者:林信吾 講談社 Amazon 以前紹介した対談本『ニッポン不公正社会』が印象深く、その後斎藤貴男さんの本を何冊か紹介しましたが、林信吾さんの著書にも興味深いモノが数多くあるので、紹介していきたいと思います。 この本は長らく英国に在住していた時のご経験からの著作だということで、2008年出版の著作ということですが、どこか昨今顕著になった日本の「格差」をあぶりだすような内容になっています。 英国では消費税率がこの本の出版時点で17.5%(現在は20%)とかなりの高率ではあるのですが、NHSと呼ばれる移民や留学生、在勤者までも含めた医療費無償の制…
機会不平等 (岩波現代文庫) 作者:斎藤 貴男 岩波書店 Amazon 作家の林信吾さんとの対談本『ニッポン不公正社会』を読んで以来、ビミョーにハマりつつある斎藤貴男さんのフリー転身後のマイルストーンとも言える著作を手に取ってみました。 『ニッポン不公正社会』でも触れられていましたが、指導要領の改訂で要職にあった三浦朱門氏や、ノーベル賞受賞者でもある江崎玲於奈氏が、入学前に遺伝子検査をして、能力に応じた教育をすべきだということを、深く突っ込んだワケでもないのに勝手しゃべりだしたエピソードを紹介されていますが、ゆとり教育が問題視されていた当時、そういう優生思想的な思想が政府の諮問機関で堂々と語れ…
ジャーナリストという仕事 (岩波ジュニア新書) 作者:斎藤 貴男 岩波書店 Amazon 先日紹介した作家の林信吾さんとの対談本『ニッポン不公正社会』が興味深かったこともあって、斎藤貴男さんが中高生に向けて職業としてのジャーナリストの在り様を紹介した本があると知って、手に取ってみました。 この本の中で斎藤さんはジャーナリストの役割として「権力のチェック」が最大にして最低限の機能だということを再三言及されているのですが、現在のメディアにおいて、これがかなり心許ないことにも触れられています。 斎藤さん自身、新聞記者に始まって、雑誌の記者からフリージャーナリストという遍歴を経てこられていることから、…
ニッポン不公正社会 作者:斎藤貴男,林信吾 平凡社 Amazon 社会派の作家とジャーナリストの方がニッポン社会の不公正な現実を語られた本です。 この本は2006年に出版された本ですが、バブル崩壊以降、総中流社会と言われたニッポン社会に徐々に格差が生まれ始め、2001~2006年の小泉内閣による様々な規制緩和で格差社会への転換が決定的となり、それ以降拡大の一途を辿るワケですが、その萌芽の時期の状況を語られています。 その「萌芽」について、「婚活」のオリジネーターとしても知られる山田昌弘先生の『希望格差社会』などの著作が相次いで出版されていたことを指摘されていて、すでに総中流社会が過去のモノとな…