もしも詩人・池田克己を題材に小説を書くとしたらと想像し、題名は思いついているのです。 「震源地」 詩を書くだけではなく、編集と装丁デザインもこなした池田克己は、40年という短い生涯のなか、6つもの同人誌・雑誌の創刊に関わっています。 東京から帰郷し、写真館を開いた吉野町下市で出版した「風池」 上林猷夫、日垣又信、宮崎讓、島崎曙海たちの参加していた大阪の同人誌「関西詩人」と合併して創刊した「豚」 上海の文学者たちと創刊した「上海文学」 草野心平と創刊した中国在住文学者による文学誌「亜細亜」 戦後、「豚」メンバーを中心にガリ版刷りで発行した「花」 「花」をきっかけに出版した詩誌「日本未来派」 昭和…