火焔を蹴る:林禮子 1928年(昭3)改造社刊。表題は『男』、321頁、伏字なし。 1930年(昭5)万里閣書房刊。改訂15版。『火焔を蹴る』422頁、伏字あり。 1948年(昭23)白鯨社刊。表題は『男』、320頁、伏字なし。木村毅・序文。 1957年(昭32)洋々社刊。表題は『男』、265頁、伏字なし。 作者の林禮子(はやし・れいこ)については無名作家の一人とされ、本名も生没年も経歴も不詳のままである。現在上記の4通りの版本が確認されるが、自叙伝風の女の半生記で、赤裸々で真摯な愛の遍歴を描いている。当初は、一介の新橋の待合の女中から持ち込まれた原稿にすぎなかったが、木村毅などがその出来栄え…