はしご酒(Aくんのアトリエ) その六百と四十六 「ソレッテ エイテン デスヨネ イイエ サセン デス」 その後、その彼と、まったくお会いすることはないのだけれど、随分と昔、たまたま、ある居酒屋で出会い、妙に意気投合した。 ちょうど、ドコも人事異動の頃である。 ご多分に洩れず、彼も、まさに人事異動の最中(サナカ)であった。 私は、酔っていたということもあって、あまり深く考えることもなく「ソレって、栄転ですよね」、と。すると、すぐさま、彼は、限りなくドンヨリと、「いいえ、左遷です」と返してきたのである。その、あまりの「けんもほろろ」感に、さすがに少し怯(ヒル)んでしまったことを今でもハッキリと覚え…