実現に一歩近づいたというより、その困難さがいっそう色濃く浮かび上がったとみるべきだろう。 多くの専門家が計画の実現性、安全性に疑問を投げかける中、第1段階の調査を受け入れた自治体も今後の進展には慎重な姿勢を崩そうとしていない。 国は行き詰まりを認め、処分の在り方を抜本的に見直す必要があるのではないか。 原発から出る高レベル放射性廃棄物(核のごみ)を地中深く埋める最終処分場用地の選定に向け、国は北海道の寿都(すっつ)町と神恵内(かもえない)村で2020年に始めた全国初の「文献調査」の報告書案をまとめた。 地質図や論文などを調べた結果、次段階の調査に進むことが可能との判断を示した。 「核のごみ」は…