時々夢か現実かわからなくなる。覆いつくす夜に街中の光が飲みこまれる前に慌ててベッドに潜り、目を閉じて今日のことを思い返す。大丈夫、ぜんぶ本物。 でも目覚めると嘘も本当もごちゃまぜになって記憶に刻まれる。仕事中も、友だちと話しているときも、それはふとしたときに現れる。リアルと同じ顔をして目の前に飛び出すから「前にも同じことがあったな」と思うけれど、本当に体験したことなのかどうかはわからない。 私の体はぐうっと伸びていく。現実と夢は境目がない。私は表裏一体のそれらに手足を一本ずつ突っ込んで、眠ったり起きたりしている。 たまに思う。本当は起きている今こそが夢なのではないか。本当は虚構だと思っている世…