著者は比較宗教学者。 日本では、政教は分離されているとたいていの人が認識しているが、政教分離は普遍原理ではない。日本そのものが神権政治の国だった。その精神は日本国憲法施行以後も消えていない。他の国では政治と宗教が一体化しているところがあるし、カソリックとプロテスタントの正当性争いとそれに伴うテロや内戦を経験して政教分離を維持しようとするところがある。本書では世界宗教であるキリスト教、イスラーム、仏教と政治の関係を見る。その視点で日本の政教を見る。 宗教は「一般に、人間の力や自然の力を超えた存在への信仰を主体とする思想体系、観念体系(wiki)」をされるが、個人の生と死の意味や価値をある集団が決…