発電所が鳴らす五時のサイレンが聞こえてくると、短い冬の日の太陽は、早くも峰筋の保護樹帯の上に傾いていた。 二十ヘクタールに及ぶこの小班の植え付けは今日で全部終わり、明日からの作業は反対側の谷へと移動する。 「寒いなあ、一杯やろうか。今日でこの谷の仕事も終わったことだし」 すると、呼べば答える山のこだまのように、班長の重ヤンが言った。 「よかろう。お前、一走り頼むよ。俺たちは、下で火を焚いて待っているから」 こんな話は、たちどころにまとまるものである。指名された富ヤンは、村の酒屋までオートバイをブッ飛ばすべく、下山する列から離れて小走りに下って行った。 勝チャンの提案に従う組は十人。昼飯の時に囲…