哲学研究者、群馬県立女子大学名誉教授。 1951年東京生まれ。1975年東京大学教養学部科学史科学哲学分科卒業、81年同大学院人文科学研究科哲学専攻博士課程満期退学、1984年群馬県立女子大学専任講師、助教授、99年教授。2017年定年退任、名誉教授。2003年『時間の本性』で和辻哲郎文化賞受賞。専攻は西洋近代哲学、中でも認識論、時間論。
[折々の言葉] 3、4月ぶん 趣味とは、些細なことにおいて自分を知る技術に他ならない。人生の楽しさは些細なことから織り成されるのだから、そういうことに心を向けるのは、どうでもよいことではない。(ルソー『エミール』) 3.1 人生の目的は、他者とのよい関係性そのものを生き、楽しむことにある。(植村恒一郎) 4 彼は、夫としての愛情など持ってはいないのだ。兵士が性能のよい武器を大切にするように私を大切にする。それだけのこと。(シャーロット・ブロンデ『ジェイン・エア』) 8 曲がった棒を直すためには、その曲がった角度と同じ角度だけ反対側に棒を曲げ返すべく2倍の力をかける必要があるとしても、驚くことは…
野矢茂樹『入門!論理学』を読んでいる。ノートとシャープペンシルと消しゴムを買った。ノートに書いて読み下している。こんなことするの何百年ぶりかわからない。入門!論理学 読解 - taizooo gyazo.comhttps://copyanddestroy.hatenablog.com/entry/2024/03/28/183759 論理学の本なのに縦書きで、しかも数式を横に倒すなんてことは絶対しない感じなので、全てが文章で表現されている この本ではごく普通に日常的に使われている文章から論理を立ち上げていく。たとえばこんな感じ。 二郎か三郎が花子のプレゼントをもらうならば、太郎は花子のプレゼント…
[私の百人一首] その3 65 眉根よせて眠れる妻を見おろせり夢にてはせめて楽しくあれよ (上田三四二1964『雉』、妻が「眉を寄せて」眠っている、辛い夢を見ているのだろうか、「せめて夢くらいは楽しくあってほしい」と妻をいたわる) 66 あの夏の数かぎりなきそしてまたたつた一つの表情をせよ (小野茂樹『羊雲離散』1968、作者1936~70のごく初期の歌と思われる、詠まれている相手は、東京教育大学付属中学~高校と一貫して作者の恋人で、後の妻の青山雅子、海辺でデートをしたのだろう、ただただ美しい歌) 67 はかなかりしわれに破れし恋ありてただおびえゐき美貌のまへに (香川進『湾』1957、作者1…