この記事では平方剰余の相互法則の証明に必要な補助定理である命題4.19を証明します。そためにまず命題4.18を補題として示します。 命題4.18$p,q$を相異なる奇素数、有限体$F_p$上で$1$の原始$q$乗根の1つを$\zeta$とします。法$q$に関する平方剰余記号の値を係数とする$\zeta$のガウス和を$ G_q=\sum_{a=1}^{q-1}\left( \frac{a}{q} \right)\zeta^a $と定義します。この時任意の整数$k$について次が成り立ちます。$$\sum_{a=1}^{q-1}{\left( \frac{a}{q}\right)\,\zeta^{k…