久恒啓一(蜃気楼大学一日学長) 「蜃気楼」というまぼろしが、辰年の今年から形になっていく 現在は全世代が力を発揮する、「全員参加型社会」へ向かう途上にあります。世界は大国主導ではなく、あらゆる国々が新しい秩序への参加を模索しています。そして日本においても、様々な形で秩序の崩壊がみられるようになってきました。社会を構成する「個人」が主役になっていく過渡期を迎えています。 「蜃気楼」は、暖かい空気と冷たい空気の境目に現れる、光の屈折によってみえるまぼろしです。司馬遷の『史記』に、「蜃」の吐く「気」によって、「楼」があらわれ、その気の広がりによって「宮」ができる。そういう記述があります。 未来という…