(『スペードの女王』および原型の「ハートのクイン」のほか、『真珠郎』、『夜光虫』、「神楽太夫」、『夜歩く』、「黒猫亭事件」、『悪魔の手毬唄』、『白と黒』の横溝作品。エラリイ・クイーンの『エジプト十字架の謎』、クレイトン・ロースンの『首のない女』、江戸川乱歩の「石榴」、高木彬光『魔弾の射手』の内容に触れています。追記、A・A・ミルンの作品に関する注を追加しましたので、未読の方はご注意ください。2024年1月1日。) 『スペードの女王』は、1958年に発表された短編「ハートのクイン」[i]を長編化して1960年に東京文藝社から刊行された。約4倍の分量に改稿されたという[ii]。 横溝正史による中短…