橋本治さんは、1985年に「小林信彦はどうして難解か」という文章を書いて いるのですが、これを北村薫さんが「波」7月号で取り上げているというのが 話の発端です。 85年の「小林信彦さんの難解さ」というのは、それから36年も経ちましたら さらにでありますね。橋本さんがいうところの「小林さんの難解さ」というのは、 次のようなところだそうです。 「小林信彦氏ほど、読むに際して膨大な教養を必要とする作家はいない筈である。 そしてその膨大さが並のものではないというのは、この人が、その膨大な教養を、 一人で作ってしまったからである。・・・ 小林信彦氏の中で、そういうことは膨大に存在するのである。そして膨大…