時代物の魅力がたっぷり味わえる金閣寺。今回あらためて歌舞伎の魅力に感じ入った。なんというか、おおざっぱなところと緻密なところ。きらびやかなところとそうではないところ、相反するものが混然と一体になっているところに魅力があるのだなと感じた。 たとえば、金閣寺という舞台は大がかりで、セリが上がったり下がったりするのも見どころだけれど、横の桜の木は変わらずに立っているのに、建物だけが上がったり下がったりしているので、大がかりな舞台だけに可笑しい。 天井絵を描くのかどうするのだと迫る大膳は恐ろしいし、刀を抜くとやれ不思議、滝つぼに龍の姿が!というのもドラマティックだけれど、その龍が、なんだかウナギイヌみ…