思えば人生の諸先輩方はよくおっしゃっていた。「本の主人公になれば自分とは違う人生を歩むことができる」「本には人類の叡智がつまっている」など。私の場合、それらの言葉の意味は理解できるものの、どうもピンと来なかった。少し大げさな感じがしていた。しかし、40代にもなるとこの言葉が肌身に直接ふれるような、毎日の暮らしの中で実利をもたらせてくれるような真理として、自分の血肉となって息づいている。 一.「本の主人公になれば自分とは違う人生を歩むことができる」 例えば子どもの頃は権謀術数渦巻く歴史が好きで、いつか自分が「大人になったとき、何かの役に立つのではないか」と意識していた。わかりやすく言えば歴史を学…